善意で敷き詰められている

脈打つ大地の檜皮色/君の好きなグリーンでもっとハイになって

2022年5月7日のこと(野崎弁当聖誕祭2022雑感)

このブログは、野崎弁当聖誕祭2022の感想(にかこつけた自分の話)です。
演目のネタバレを多分に含みます。MeseMoa.FC会員の方は、2022/5/13(金)21:00まで購入が、2022/5/13(金)23:59まで視聴が可能とのことですので、まだの方がおられたらぜひ。

mesemoafc.com

 

 

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第1部「 〜絶望、そして希望〜」は、もともと「高カロリー」「胃もたれ必至」「演者の自分も含め2部までに立ち直れるか怪しい」的な触れ込みがあって(そんな聖誕祭ある???)。
それを聞いた時点で、伝説の2020年ソロライブを思い出していた。
事前にもう一度見ておこうかなと少し思ったけれど機を逸したまま当日になった。今から見たらカロリーの前にカロリーを摂取することになるな、相殺しあって実質0キロカロリーにならないかな、これならないやつだな、と脳内再生にとどめた。

 

「第1部は開始から10曲くらいノンストップでございます」

衝撃的な影ナレのあと、曲が始まって。

【運命】のフレーズと共に「Turas」が披露されて、【悪夢】「Black Rose」、【後悔】「Last Regret」と続いたときには、やばい私の性癖博覧会みたいになってるどこで情報が漏れたんだ、と思ったんですが、【混迷】の「無限のスペル」で、ステージいっぱい使って惑う迫真の姿を見たくらいから、そんな軽口を叩く余裕もなくなって。

【激情】【慟哭】の雨2曲にもすっかり引き込まれたけど、構成の中でいちばん底になる、【絶望】の「月光」が選曲含め震えるほどよかった。仕方ないし、だから「行ってよかった」なんだけれど、もう聞けないのが、というかどんどん脳からこぼれていってしまうのが本当に悲しい。「How do I live on such a field?」のやわらかで、でも粒立って切実なひびき。「最後になど手を伸ばさないで」。

で、続く踊ってみたの「ニア」!! フレーズは【問答】、転換になる曲だと明らかにわかる表情で、空に引かれるみたいに自由に跳んだり走ったり回ったりする踊り方が綺麗で神々しくて、「僕はまだ信じてる」を信じていいんだと思った。【勇気】「GEEKDOM」もよかったですよね。好きな曲なんだなってすごくわかった。そうして「命宿る」【希望】の「あすの日に灯をともそう」……。

 

すごい作品を見た、と思った。あれは作品だった。

我々に見えているスケジュールだけでも暇なんか一切なく見える、大好きなアイドルが、頭と心と身体を尽くして構成した作品。

 

帰ってきた知るかボケクイズにはあっさり敗退して、【再生】の「Neptune」で拳を突き上げきって。

ふらふらになりながらカフェに入って、物販で買ったフォトブックを取り出した。

公共の場だから有事に備えて薄目&薄開きで見始めて、だんだん我慢できなくなって目も本もガッツリ開けて、あの天才的なステージを作り上げた人が、尋常じゃなく眉目秀麗でまであることにいっそ腹立たしくなりながら、小さく声を漏らしつつ見終えて、
裏表紙にISBNがないことが、この本が図書カードで買えないことが、セン北の本屋に平積みになっていないことが心から不思議になって、

「武道館が決まったんです」「こんな場をつなぐためにする話じゃ全然ないんだけど」

MCでそう言って笑う姿を思い出して、

「さすが私の推し!!!」とこんなにも思わせてくれた人、でも「私の」なんかであるはずがないんだ、頼むから全人類あの1部とこのフォトブックを見てくれ、と強く強く思った。

 

 

まんまと1部を引きずったまま、それでもなんとか立ち上がって移動して、まずいなパンチドランカー状態だわ、とつぶやきながら席について。

 

そうして始まった第2部「〜愛、そして奇跡〜」は、ほんとに愛と奇跡のかたまりで、「私達の野崎弁当」で、たくさん笑って救われてしまった。

 

冒頭の台詞、最後跳ねずに「そうだろ"う"?」に近く言う感じがさすが野崎さん、いや「弁さまー!」だわ、となった「Mercury Eyes」から始まって、その後は「愛」を想起させる曲が本当に盛りだくさんで、甘やかで優しくて、たぶんみんな5回くらい結婚したと思う。踊ってみた演目も可愛さと格好良さが泣けるくらい詰まってて、問題の4曲(問題なのは3曲)も、選曲と歌唱だけでも十分沸けるのに全然一筋縄でいかないのがさすがすぎた。めちゃくちゃ笑ったしいっそ洗練されてた。

それでもやっぱりあの使い方してなお「SONOKI」はずるいよ。36歳が「いろんな過去のこととかを思い出しながら」(本人談)歌う「年下だって馬鹿にすんな」、あまりによくないですか。ほんとにまたやってください。

 

 

ラスト2曲はいい意味で予想通りだった。「予想」とか言って、最後の1曲はスタンドマイクが出てきたときに連想した、というか強く願っただけなんだけど。

私よく「正しくone of themでありたい」とか「茶色い光の1本でいたい」とか言うんですが、それは埋没していたい的な意味じゃ実はなくて、1.5でありたいなんておこがましいことは言わないが0.8じゃ悲しい、推しに限って滅多にないと思うけれど、例えばもしも万が一眠れない夜とか、何もかもうまくいかない日とか、自分の味方を思いつく限りできるだけ多く洗い出したくなるとき、数が必要なときがあったとしたら、あいつはまあそうだろう、って自信持って数えてもらえる中の1でありたい、みたいな、どちらかというとはちゃめちゃに図々しいクソデカ感情なんですよね。


で、この感情って、こんなくどくど長ったらしい言い方しなくてもーーひとの言葉を借りてしまうけれどーー「『何が起きても僕には君たちがいる』って推しに歌われたら、世の中大抵のくだらんことはどうでも良くなる」で済むんだなって思った。
そういう一日でした。

 


野崎弁当さん36歳のお誕生日おめでとうございます。そして日本武道館公演決定本当におめでとうございます。あなたとあなたのいるグループが武道館に立つことが、なんというか腑に落ちた日でした。
何もかも大丈夫だから。遠慮なく世界を手中に収めてください。
同じ時代を生きられてよかった。大好きです。

 

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