善意で敷き詰められている

脈打つ大地の檜皮色/君の好きなグリーンでもっとハイになって

2022年のこと(会いに行く道、勝って帰る道)

 

年末なのでブログを書きましょうね。

 

2022年はいろんなことがあって。

結果このブログも当社比活発に動いたのですが。

どんな年だったかというと、「だいぶ新幹線に乗れた年」だったと思う。

 

私が住んでいる県は日本の真ん中で。

東にも西にも比較的行きやすい、という言い方もできるし、

結果この土地で何かが開催されることが少ないから、東か西には足を運ばねばならないことが多い、という言い方もできる。そういう場所である。

 

だから2年前ころ、県境がまるでウォール・マリアのようにそびえ立っていた期間は、結構辛かったんだけれど。今となっては、そりゃあ首都圏の便利さとは比べるべくもないけれど、結構ひょいっと新幹線に飛び乗れる、自分みたいな計画性のない人間にはそれなりに過ごしやすい県である、という側面が息を吹き返してきた。まあ、のぞみは止まらないんだけどさ。

 

いろんなテンションで新幹線に乗った。

ずいぶん前から計画して、どうか当日までになにも起きませんように、と祈るような気持ちでホームに向かった日もあるし。

行けるかも!行こう!と決めて、直前まで仕事をして、そのままパソコンをひっつかんで飛び乗って、ドアが閉まった瞬間「えっこれ上りと下り本当にあってるよな!?」と不安になって心臓が鳴り始める、みたいな日もあった。というか多い。しっかりしたい。

座った瞬間チェキかアクスタの写真を撮って、イヤホンをしてオタクモードになれる日もあれば、

新幹線を降りてから現場に向かう在来の中で、だめだ目が血走っている切り替えなきゃ、と我に返る日もある。いろいろだ。

 

そんな日々を、「ああ あと何回」と数えたことはなかった。

 

調整先の多い身の上であるのだし。要請で県から出られなくなったこともあるくらいなんだから、普通に想像しても良さそうなものなんだけれど。

自分でも不思議なくらい、「それは私が決めることだ」と強気に思い、「私が決めることなのであれば、大丈夫だ」と確信していた。

私の「決め」が、あの6月が過ぎてから、前回のブログを書くまでの間に格別揺らがなかったのは、ひとえに野崎弁当氏の底力と、パンダドラゴン6月静岡公演の美しさの余韻のおかげだと思う。感謝しています。

 

 

そう。私の応援しているアイドルたちは、今年、これまでの2年間を晴らすみたいに、全国を巡ってくれた。それは私が新幹線に乗った理由であり、乗らずに行けるライブがあった理由、でもあった。

いろんなグループがいろんな土地を巡る。

そんな中で、何度も「凱旋」という単語を目にしたし、

凱旋とは「勝って帰る」という意味だという話も、何回か聞いた。

 

あいどる道中という、長い長い旅路の中で、

「勝つ」とは何なのか、そしてそれ以上に「帰る」とは何なのか、

そんなことを思ったりもした。

 

それでも6月の、私が今年唯一新幹線に乗らずに行ったライブは、そういう言葉遊びみたいなものを全部ねじ伏せる力のある「凱旋」だった。晴れやかだった。すごくすごくよかった。

 

 

行く道があれば帰る道がある。行く。帰る。また行く。また帰って、ときには間が空いて、それでも再び旅に出る。

「どうせまた気がつけば」って、諦めと同時に祈りですよね。そうあってほしいという。ホメオスタシス

 

 

……「逃げ水」は。

私にとって、意味はわかるけれど、自ら使える言葉、ではなかった。受容語彙だが発信語彙ではない、ってやつですね。

だからあのフレーズを聞いたとき、自分とは違う景色の中で育った人だ、と思って。

史実でしか聞いたことのない日々を思って。

「飛行機に乗ってくれてありがとうございます」と思った。言った。伝わっただろうか。

 

何一つ当たり前ではないから、できるだけ追いかけたい。

それがたとえ月を欲しがるようなことだったとしても。

明日は明日の風の中を。飛ぼうと決めた。*1

 

 

「味わい尽くす」っていうのはさ、ものすごく単純に言いかえると、はらわたを残さないってことなんですよ。私の中では。

例えばこのブログを「北海道に行った」話にはできなかったことも含めて。私の皿なので。まだ下げないで大丈夫です。

 

 

私の「帰り道」は。

行きのテンション差に比べれば、似通ったところが多いと思う。たいていふわふわしていて、泣きそうなくらい愛おしくて、いろんなことを考えていて、全然オタクモードを解除できないまま家の近くの駅に着いてしまう。

旅の帰り道は寂しいけど、でも、あたたかで幸せな時間だ。つまらないとは思わない。

 

 

そうやって帰りたい。1月1日も。1月15日も。3月14日も。きっと。

 

 

……この記事本当は大阪に行く新幹線で書きたかったんだけど。自分の筆のスピードに自信がなくて今書いちゃった。

楽しい1年でした。愛に溢れた。今年縁あったもの、こと、ひと、みんな大好きだった。

 

来年もどうぞよろしくお願いします。

このみちをゆくよゆけばわかるさ。

 

 

※参考、というか、読みながら書いたもの。あとお友だちのブログいくつか。

歌詞 | この先36号線 by MeseMoa. | TuneCore Japan

MeseMoa. 公式ブログ - 国道36号線に向かう話(セルフライナーノーツ) - Powered by LINE

パンダドラゴン 公式ブログ - 生まれ育った街は変わっていく。 - Powered by LINE

THE YELLOW MONKEY バラ色の日々 歌詞 - 歌ネット

歌詞 | (超) あいどる道中膝栗毛 by パンダドラゴン | TuneCore Japan

 

*1:このブログのURLがjinseihabarairoなのは、もちろん「Chameleon Color」が好きだからであり、kimigawaraunogasukidattaへのリスペクトなんですが。
私が「人生は薔薇色」の歌詞を好きなのは、THE YELLOW MONKEY「バラ色の日々」が好きだから、だったりする。豆知識な。