善意で敷き詰められている

脈打つ大地の檜皮色/君の好きなグリーンでもっとハイになって

夢だらけの人生のこと

地獄を見つめて

生きるより

希望を追って

死にたい

そう望む……

それが人間の末期…

福本伸行銀と金」4巻より)

 

久々に自分のブログを読んだら現場を夢見たまま深い眠りについた人になっていた。起きてます! ライブ行けました!! 推したちにも対面で会えました!!!*1

2年ぶりに新幹線に乗った。2年ぶりに推しに会った。2年ぶりに推しの視界の中でキンブレを光らせた。2年ぶりにオタク友達とお酒を飲んだ。楽しかった。まだ世界は全然エンタメの満額を支払ってはいないと思いつつ、なんというか兆しの見える、そういう日々を過ごしている。

 

それでも多分この1年は、これまでの人生の中でいちばん、地獄について考えた年でもあった。

 

時は乱世 アイドル戦国時代

我々が辿り着く先は

天国か地獄か…

パンダドラゴン「(超)あいどる道中膝栗毛」

 

僕も、どの選択をしても地獄にしかたどり着かないなと、そんなふうに思ったこともあります。

そんな時は、その少ない選択肢の中でも、少しでも生きながらえそうな道を探してきました。

同じ地獄でも、自分が少しでも生きながらえることが出来そうな道を選べば、

もしかしたら、その先にある「より良い可能性」にたどり着くかもしれないから。

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大好きな人達が生きているのが、天国でなければ地獄、の、丁半博打みたいな世界であることとか、

「地獄にしかたどり着かない選択肢の中で、少しでも生きながらえそうな道を選ぶ」というのは、ときに十三階段をゆっくり昇ることと同義なのかもしれない、とか、

そういうことには気づかないふりをして暮らしていた。

だって気づいたところで、行動を変えられるわけではなかった。

 

今しか見られないものはある。今がんばらないと見られない未来もあるかもしれない。だからできることはする。でもたとえ今の自分にそれがかなわなくても、「いつかできるようになることを諦めない」。

 

理不尽過多な人生の数少ない娯楽として、好きなアイドルのライブに行くことができること。それを家族や同僚に「温かく」送り出してもらえること。価値があると思ったもの、続いてほしいと思うものにささやかでもできるかぎりお金を払うこと。

それが私の「持続可能な推し活」で、たったひとつの冴えたやりかただと信じている方法で、

明日の保証のなさの前で、サステナビリティなんてほとほと欺瞞に見える日も少なくないんだけれど、

それでも、甘えるみたいに引用してしまうけれど、「物事は一歩一歩乗り越えていくのだ」。一足飛びの解決方法なんてない。

 

 

元来欲張りで気の多いたちなので、大学時代のスローガン(?)は、

「好きな人や物が多過ぎて見放されてしまいそうだ」(椎名林檎「月に負け犬」)

と、

「人生は愉しむためにあるのだし、相手が男であれ女であれ、会いたいと思ったときに会いたいし、そのときにしか行かれない場所、見られないもの、のめない酒、起こらないこと、がある。 」(江國香織ケイトウの赤、やなぎの緑」)

だった。

今の居住地とか環境とか業務量とかを考えるとだいぶ自由にしている方だとはわかりつつ、でも、こんなに「好き」の深さも広さも増してしまった中で、これでも随分おとなしくしているなあと正直思うし、

行けなかった現場に、私が知らなかった時代のすべてに、舐められなかった辛酸に、唾湧くこともある。

でもこれは私の地獄の話だ。

私の地獄とあなたの地獄は違う。たぶん私達は地獄を分かち合えない。人には人の乳酸菌が、真善美が、地獄があって、それはたぶん地続きですらない。

だからそうですね、人は夢を見るし、同じ夢を見ることを夢見る、んだと思う。

 

勤めている会社の成長にはそろそろ頭打ちの気配が見えてきていて、ニュースを見るたびに世の中も人類も全然完璧じゃないと思い知らされて、でもそうは言っても私も「会社」「世の中」「人類」を構成するものなわけだから、ただそう偉そうに言いっ放すだけでは済まなくて、自分で考えて生きることは文字面よりずっと難しくて、この世界でどうしようなと時折絶望してしまったりして、でも、ひとが必死で考えたことや、努力や切実さが全部報われないかというと、そういうわけでもない。

この世界の未来には推しの聖誕祭や凱旋が待っていて、それなら私はこの世界線を信じられる。

そう思えることは、そうですね結構救いです。

 

好きなものが照らしてくれる未来の明るさをよすがに、好きに生きよう2022&XX歳、という話でした。

これからもよろしくお願いします。

 

 

*1:葛藤が面倒なのでいつでも隙あらば名乗る姿勢でいるのだけれど、かたや「いやさすがにわかる」、かたや「オンラインでどれだけ話したと思ってるの」のリアクションで、なんというか侮ってすみませんでした。いやしかし素晴らしく癖でしたありがとうございます。推しには積極的に呆れられていきたい。