茶色い推しのソロライブ感想
これは2020/05/26の推しソロライブセトリ、そして谷口と吉田*1についての個人の思考を垂れ流す記事、あるいは普段は絶対に到達しえない推しというものの思考に、今回比較的ヒントが多いのをいいことに少しでも肉薄しようとするオタクらしい試みの記事、です。
ご本人のブログが公開されたので以下堂々とネタバレします。未視聴&未読の方はご注意ください。
「好きな曲を披露しているだけかと思いきや、曲名の頭文字を繋げるとメッセージが現れる」という仕掛けの確認、全曲リストを所有していないので各グループ様のディスコグラフィーを何往復もするという原始的な方法で取り組んでいるため、前提が違う可能性が大いにありますがご承知おきください。
ソロライブと聞いて待機していたら、照明がついてもSEも1曲めも始まらず、代わりに座っている推しがノートを読み始めた。たぶん大半のオタクがこの時点で波乱を、しかし勝利を確信したと思う。最近よく見せてくれる(伊達)眼鏡姿が美しいなと思っているうちに、また舞台は暗転し、どう見ても推しに見える人物が吉田と名乗って前説を始める。マネージャー? 谷口の? 誰? よくわからないけれどまあおとなしく待とう、という思考は俗にいう「訓練されている」ってやつだろうか。
1.『ON』(MeseMoa.)
「冒頭なんか見た気がするけれどそれはさておき推しのライブが始まったな~~」とシンプルに受け止めた曲。今思えば、「好きな曲を披露しているだけかと思いきや」「ただの楽しいライブと思いきや」のミスリード(っていうのもなんだけれど)にもしっかりハマった形だった。いつだって術中である。
「オ」はいくつか選択肢があるけれど、明るい曲調で人気の曲で、ご本人も大切にしているのを公言されていて、まぁ1曲めに選ぶならこれだよね~と改めて。
ここで自己紹介。何だ野崎弁当じゃん、と一度安心してしまう。させられてしまった。
2.『MONSTEЯ』(cosmic!!)
本家の無観客ライブなどで見て、好み!!と思っていた曲。でも推しとは全く紐づいてなかったので曲名を言われて大いに動揺した。もしかして「モ」は一択だったのでは……? なのにというかだからというか、全体の方向性を決定づける曲になっているのが熱い。追って聞き取ったいくつかの歌詞に震えるなど*2。あと相変わらず「禁じられた」って歌詞が似合いすぎる。
パフォーマンスにも言及すると、スーツに黒ネクタイでこれを歌い踊っているのが完全に最高だった。このスタイルでステージに立たせたらみやじ氏か推しかだな……。
3,『今だけは…』(MeseMoa.)
これも最初に曲名を聞いたときは正直意外だったけれど、全台詞コンプ来る!?の興奮で疑問が即(ry。*6。「ダ」もおそらく一択で、その一択がこの曲であったことの巡り合わせにしびれる。普段歌わない歌割に沸き、いつもの歌割の力強さに聞き惚れ、と忙しかった。つるてぃーさんリスペクトの、「早く」の切羽詰まった感じとてもよかった。
この曲に限らずだけれど、いずれの曲も全体構成の中でかなり強い縛りで選ばれているのに、個々の曲単位で見ても魅力と完成度が高いので種明かしの後もまったく色褪せないのが恐ろしい。普段明るい路線を選ぶ推しがダーク路線を突き詰めるとここまで色気ダダ洩れになるのかと、何回見ても新鮮に放心してしまう。
5.『センチメンタル』(パンダドラゴン)
「セ」は他の選択肢もあったのかも?*7と思いつつ、でもここまでの流れと各グループ曲のバランスを考えるとこっちだよな~~~とすごく納得する。初披露の、しかも歌いやすい音域ではない曲に挑んでくれるところが改めて好き。
「センチメンタル」をやる、と察した瞬間の動揺もすごかったけれど、歌い始めの動揺もまたすごかった。本家の「授業参観」以来、この曲は学園物のアレという設定で受け止めているので、必然的に教師設定待ったなしで見てしまった。1人で歌うと原曲より報われなさが際立つ気がする。卒業生(決めつけ)に今なお懸想する推し、いいですよね……。
ところどころで抱いた疑問や違和感を回収する種明かしパート。息を呑んで見つめるしかできないまま、歌い手は谷口から吉田へ。
6.『I AM』(ChocoLate Bomb!!)
推し曰く、「メッセージを送るに至った背景」の曲。激白みたいな歌い方にひたすら圧倒された。もともとPVも含めかなり重めで暗く、だが最後にわずかに見える光に救われる曲だと思っていた。しかし今回、曲は途中で止まり「僕は強くなれなかった」「自分に負けたんだ」という吉田の独白で舞台は暗転する。
ライブの山であり、いちばんいろんな解釈ができるところだと思う。吉田は、「僕は僕だ」と言い続けられなかったのでしょうかね。
7.『Black Rose』(MeseMoa.)
隙あらば茶推しが推しにやってほしいと思っている黒薔薇*8。新規なので生で見る(あえてこう言う)のは初めてで、イントロからただただ引き込まれた。低音域は力強いだけではなくて深く優しくて、youtubeで上がっていて何度も見たものよりも数段かっこよかった。
谷口と吉田の罪と罰がなんなのか。どうして吉田は谷口に、自分が谷口であることを「思い出せ」と何度だって迫るのか。
それは多くは語られないけれど、NS衣装を選び着こなし*9、無意識のうちに本物の野崎弁当を乗っ取ろうとしてしまう谷口と、ジャンパーを羽織ってそのマネージャーを自称しながら、自身もステージ慣れしているように見える吉田の二人には、
何か、夢があったのではないだろうか。
あと少しだけ夢見てれば
後悔してももう遅いのさ
また振り出しへと repeat
「それで野崎弁当が助かるのだからいいのです」と言う吉田にとって、
谷口は谷口であるべきだし、野崎弁当はアイドルであるべきだったのかもしれない、と
何となく思っている。
8.『エビバデDASH!!』(パンダドラゴン)
正真正銘野崎弁当によるおまけ演目。2019年の全国ツアーch8静岡公演での推しのソロ演目で、映像に残ってとにかくうれしい。「どんなに暗いステージでも最後に野崎弁当がエビバデやったら笑って終われるだろうという確信」、間違いないと思います。大好き。
そもそもこの事務所を挙げてのソロライブ自体、コロナ禍による緊急事態宣言で、グループでのライブ配信すら難しくなった中で企画された創意工夫の結実である。普通に(というのもなんだけど)歌って踊ってくれるだけでも十分ありがたいのに、その中でさらにもうひと工夫してくる推しを本当に尊敬する。
1時間あれば何でもできるな、と思ったと書かれていたけれど、「1時間あります」って言われたときにこれをやってくれる人はどう考えても推ししかいないと思う。見られてよかった。
*1:そんな名前の推しだっけ……?と思ったリアル知人(いたら)へ。谷口と吉田は推しの中に眠る108の人格のうちの2つであり今回のライブの大半は彼らが行いました。この説明で何卒ご理解ください。
*2:「暴れだすもう一人のI」「誘惑に染まった薔薇を飾ろう」。歌詞カードが手元にないため違ったらすみません。
*3:目立ったところだと「1230」と「Is there -RAL color-」だった。曲が持ってる別のストーリーが強すぎるかなと。
*4:たぶん完全に思う壺。
*5:「Re:love に野崎弁当(じゃないズ)」感。
*6:こんなに簡単に人が掌で転がったら楽しいだろうな……
*7:何回かソロでやっててかつ入れられなくもない(と私は思う)「second step」を選ばなかったのだなぁという感慨。でもあれ「2人これからわかりあえるから」だもんな~必然性という意味ではちょっと違うか確かに。
*8:サンプル数5くらい
*9:NS衣装は谷口が選んだ立場に立っています