善意で敷き詰められている

脈打つ大地の檜皮色/君の好きなグリーンでもっとハイになって

3月のこと、あるいはすーぱーあいどるのこと(ちぇりめも雑感)

私へ
今は5月です
私より



MARCHとちぇりめもについて書いていきます!!!


もともと、アイドルにハマる前からオタク気質で頭でっかちな人間だった。そのせいか伏線のあるものとか、必然性のあるものが好きだ。練られつくしているもの。「これしかない」って言えるもの。
だから、これまで「学校」とか「青春」とかをイメージワードに活動してきた推しグループの、メンカラ青のメンバー―約3年間の活動を経て3月に卒業する―の卒業記念公演のタイトルが、「『青春』〜青の記憶 春の思い出〜」だと聞いたときは天を仰いだ。どこまで完璧なんだろうと嫉妬するくらいだった。そもそも彼らのライブが不完全燃焼な回を想像したことすらないけど、でももうこれは絶対に大成功の公演になるんだろうと、始まる前から思っていた。
でも、そこを称える言葉はなんだかあんまり出せなかった。「必然」だとか「これしかない」とか、「こうなった以上これしかない」とは思うし、判断対応その質すべてに手が痛くなるくらい拍手したいけど、でも言いたくなかった。
私にとって彼らは、すごい雑な言い方を許してもらえるなら「負け知らず」な人たちで、絶対にプラスをくれるって確信のもてるグループだった。結局その確信はまったく過去形にならなかったのだけれど、卒業の発表があってからしばらくは、そうですね、結構落ち込んだ、と思う。年若い人の決断を手放しで応援できないこととか、結局自分は勝ち馬に乗りたいだけなのかとか、そんな自己嫌悪も含めて。


憑き物が落ちたみたいに視界が開けたのは、2ndアルバム『MARCH』の発売記念連続イベント、「Cherish memories」の初日だった。仕事が終わらなくて配信すらリアタイできなくて、深夜にほとんどやけくそな気持ちで見たアーカイブの1曲目で、自分でもびっくりするくらい号泣した。

その1曲目、「(超)あいどる道中膝栗毛」は、どこまでも明るく愛に溢れたアイドル賛歌だった。2020年を過ごした(なんなら過ごせなかった)この世のすべてのアイドルオタクに聞いてほしいと本気で思うし、DDみんなにくれるつもりでパラゴンにくれた曲なんじゃないかと思ってる。


「悲しませるなんてアイドルとして駄目だわ 理由(わけ)があるにせよ」

なんてチョロいんだと少し恥ずかしくなりながら書くけれど、ここ聞いたとき、「あぁ私悲しかったんだな」と思ったし、「でも理由があったんだな」と思ったよ。


……これが書けたのでもう書きたいことの9割は書けた。けどまあもう少しつらつらと。


「例えステージにマイク置く日が来ようとも このアイドル人生【最高】以外ないのだ」

前半の歌割はしっかり卒業するメンバーが歌いつつ、でも後半のフレーズは別(もしかしたら若い順、かもしれない)の2人で。何故かなんて言うも野暮で、アイドルという職業の人達全員に、いつか必ず訪れる瞬間の話だからだ。
「青春」といえばこの曲、の「キラリペダル」には、そう呼ぶのが一般的だというのが大方の見方でしょうね、という前提を含ませながら、「青春の1ページなんて今は呼べない」と歌う歌詞があって、そのアンビバレントな痛みが私は好きだった。でも今、いつかこの日々を形容するための別のフレーズが得られたことにとても感謝している。
【最高】以外ないのか。ないんだ。よかった。
誰が何と言おうと、ってカッコづきの声が聞こえてくるような、外野の声を蹴飛ばすみたいなキックの振りがとてもとても好きです。

それから、曲中で急にダークモードになる展開。ぶっちゃけあそこがなくても曲としては成立する気がするのに、それでもある、のはもちろん欠かせないからなんだろう。地獄に堕ちたアイドルが、「愛をもっと頂戴」「意外と欲深い」とぶっ放して這い上がってきて、「お前が一番」に対して「いやいやあなたが一番」と言い返す流れが大好き。抜けない贔屓目を極力抜いても、あづくんのためにあるパートだと思ってます。

あとは、余談かつたぶんどこでも言及されていないはずなので明言は避けるけれど、「すーぱーあいどるになりたい」という歌詞や、「レファミドレ」(尋常じゃなく自信ない)のフレーズが、彼らの踊ってみたの某3部作からつながるものに思えてとても好き。踊ってみたの2・3曲目は時系列的に、卒業がわかったあとに撮られた気がしていて、流れ的に仕方ないのはわかりつつ、今「なれんかった」で終わるのちょっとしんどいな、と思っていた。実際に見たら可愛さが勝って事前に恐れていたよりもしんどくはなかったけれど、でも「君は君以外にはいないんですよ」の構成とか、「なんでもするから」のときのぱっちくんの表情と手とか、あの愛されることが仕事みたいな動物と、アイドルという職業を重ねることは結構容易くて、動画の時点で正直めちゃくちゃグサグサきていた。
だから何だろう、もしそうだとしたら、そこからの未来があったことがとてもうれしかったですありがとうございました。別の踊ってみたに「一生旅していたいから」ゲームをクリアしない、という趣旨のものがあって、それも全然彼らと違ってだがそこがいい、と思ってたけど、今回がっつり違う旅の歌になってたのも粋だった。「今はまだ経過途中」。うん。



初日を皮切りに、毎週毎週ほんとうに充実したライブがあって、MARCHの曲はどれもこれも本当に良くって。
全人類大好きな「SONOKI」。「惜しまないフルの愛情を『示すことくらいできる』」って歌詞が絶妙だなと思う。「示す」までなんですよね「あげる」とかじゃなくて。選択権は相手側(つまりまぁ、こっち)にある。
年上のお姉さんを文字通り狙った曲で、なんというかありがとうございますなのですが、「その気になれたら優しいキスで答えてよ」って言われることには甘い痛みがあると思う。「年下だって馬鹿にすんな」って言われて絆されて、でも結局「年上の女である」こと(もっと言えば多分母性のようなもの)を欲されるしそう振舞ってしまう、でも自分だって馬鹿にはしないまでも、たぶん「年下の男の子」だってことをまったく無視しては「その気」になんてなれない。時限だとわかって手を取ることの絶望とよろこびとかそういうもの。
実は「優しい」以外にハマる形容詞がないかしばらくずっと考えていたんだけれどどうにも辿り着けなかった。強いて言うなら「可愛い」か「青い」かな、うまくないな。ご査収ください(虚空に向かって)。
これメインが祐矢くんでサブメインがおそらくあづくんなのが本当に私得です。雪踊組、と言われる二人だけれど今回は曖昧劣情Lover組と呼びたい。この年上女性の影が色濃い(個人の感想です)踊ってみたについては一通り語ってるのでこの辺で。

www.youtube.com

振り返り放送でも言及してたけれどZeppの落ちサビが仕草含めて最高でした。3/31にシンメとして完成しやがって……(拍手)。



あとは我ながらとても性格が悪いんだけれど、初日の「桜Ambitious」でなるきさんが泣いてくれたのにもだいぶ救われました。そうだよね、ってなった。卒業そのものについてもそうだし、なによりこの曲を泣かずに歌うの不可能では、の「そうだよね」。歌詞も歌割も振付も畳みかけがすごすぎる。
タイトルも好き。「桜」を冠しつつ、別れの歌でも友情の歌でもなくて大志の歌なんだ、ということがすごくよかった。それも一方通行じゃなくて「汚れなき想いを 見せ合おう」なのが。最後「こんな歌を思い出してなんとなく口ずさんでみてよ」もずるいよね誰が誰に向けて言っているのか???(勝手に決めつけて勝手に怒る)。ぱらごんのまわりの大人のみなさんが好きです。



3/31は。
家で配信ライブを見ていて、うそ、正確にはまた仕事を、3月を終わらせられなくて、少し逃げるような気持ちでアーカイブ組に回った。
このライブに行けない自分がこの先行けるライブなんかあるのか???と少し自虐的になりながらも、配信があったことに心底感謝して。
たくさん泣いて。それで終わった。
掛け値なしに最高のライブでした。


それから、新学期みたいに少しバタバタして、納まって、今に至る。
なんだろうな、全然ひと言にはならなくて、言葉を探すなら「恋しさとせつなさと心強さと」というか(さすがに世代踏み絵すぎる)(今歌詞見たらわかりみが深くてびっくりした)、
第一章も第二章も本当にいとおしくて、だからこそもうしばらく自分は切なさからは脱却できない、とは思う。
でも実はいろんなものは5/3に披露された「(超)あいどる道中膝栗毛」でまた吹き飛ばされてしまった。
6人体制で曲を覚え直すのも、その優先順位を決めるのも、私には想像しきれない大変さがあるんだろうと思ってる、けど、この曲がまた見られて私は本当によかったです。

youtu.be

4月以降のライブの、努力と工夫が見えるセットリストの中で、歌割やフォーメーションの変化を追うのと同じくらいの熱量で、「またうまくなってる!」と思わずにはいられなかったこととか。
3周年で「NA・NA・NA」をやってくれたあとに開催があった特典会で、あづくんにパフォーマンスが最高だった話をしたら、「NA・NA・NAは祐矢の曲ってイメージがあったじゃん、『これからは俺がいこう』と思ってやったところはある。『この中でいくなら俺かな』みたいな」というようなことを言ってくれたこととか。
「そう言ってくれるのすごくうれしい」と言ったら、確か「そうだよね」と返してくれたこととか。
やっぱり「心強さ」だな、と思っています。もっともっと先が見たい。ね。



3月の私へ
4月からの彼らは、輪をかけてすーぱーあいどるですよ
5月の私より